鈴木 主税
松平春嶽を教え導いた改革の士
鈴木 主税(福井市立郷土歴史博物館蔵)
福井藩重臣。天保八(一八三七)年、家督を継ぎ、寺社町奉行・側向頭取・側締役の要職を歴任。弘化二年以降、若年の藩主松平春嶽の側近となり厳しく指導、春嶽も主税の言を重んじたといわれる。自身の後継者として橋本左内に着目し、藩医の左内を春嶽側近に抜擢した。
ペリーが来航し、開国か攘夷か、国論が二分した時、水戸藩の藤田東湖は、主税と諸外国への対応を論じ合い、“真に豪傑と称すべき者、天下にただ鈴木主税と西郷隆盛のみ”と称賛したといわれる。