細井 順子
地場産業の近代化を支えた「福井の繊維産業の母」
細井 順子(福井市立郷土歴史博物館蔵)
製織技術の指導者。下六条村(福井市)生まれ。明治九(一八七六)年、新しい織機の技術を学ぶ県費研修生に選ばれる。京都でバッタン機(近代フランス式の織機)の操作技術を学び、短期間でこれを習得。福井に戻ると、学んだ技術を多くの人に教えた。
修理業者も道具もない時代に、順子はいくつもの困難を乗り越え、品質改良にも精魂を傾け、成果をあげていく。順子のこうした働きによってバッタン機の技術が広まり、福井県は、全国一の広幅の輸出羽二重産地となっていった。