右近 権左衛門(十代目)
海上物流の近代化に貢献した実業家
右近 権左衛門(北前船主の館右近家蔵)
明治時代に北前船五大船主として、その名を馳せた右近権左衛門家の十代目。積極的に北前船経営を行い、明治十二(一八七九)年には廻船十七艘の大船団を率いた。
明治時代中頃からは、北前船主の中でいち早く汽船を導入し、輸送の近代化をはかる一方、日本海上保険株式会社(現在の損害保険ジャパン日本興亜株式会社)の創設など事業の転換を図った。また、北海道へ目を向け、倉庫を建設したり、炭鉱や農場を開くなど、広い視野を持ちながら多角経営を続けた。